新自由主義下で「努力は報われる」という希望が薄れつつある日本社会で、格差がどのように広がり「希望格差社会」という概念につながっているのか、社会学者の見解を中心に整理します。
「希望格差社会」を著した2004年の背景から始まり、現代日本では多くの若者が未来を見失い、怒りや抗議は少ないものの日々の生活への満足感が高まっている一方で、社会全体の将来展望が分断していると指摘されます。著者は、平成時代には社会の勝ち組と負け組の分裂が進み、希望が失われる過程を説明しています。
昭和の日本的労働慣行と性別役割分業型家族の枠組みが依然として制度設計に影響を与え、正社員中心の雇用や専業主婦の税・年金・保険の優遇などの仕組みが維持される中で、非正規雇用や独身者が恩恵から排除される状況が生じていると指摘されます。これらの要素が、仕事と家庭の両面での格差を固定化する原因とされています。
昭和のシステムの影響は就労環境にも及び、新卒一括採用や終身雇用といった慣行が崩れずに雇用減少が進むと、正社員としての道が狭まり、就職氷河期世代の人々が年齢を重ねても正規採用に結びつきにくい状況が生まれていると説明されます。