ダイキン工業は「空調しかやらない」専業戦略で世界市場を拡大した。現地生産や人材育成、金融まで含む市場育成型の海外展開が特徴だ。
総合電機の中で空調は一部門にとどまらず、専業には撤退できない性質がある。空調を止めれば企業全体の存続が危うくなるため、研究開発や海外投資を長期的に続ける意思が投資の深さを生むという点が解説される。
ダイキンは市場育成型の海外展開をとり、製品輸出ではなく現地生産・人材育成・販売網整備・金融手段までを現地で整えることで市場を育て、育った市場を支配する戦略を取る。アフリカでのサブスクリプション型空調など、導入障壁を低くする工夫も紹介される。
海外展開の具体例として現地工場設置、現地技術者育成、施工・保守網の整備、支払い手段の確保などが挙げられ、空調が根付く条件を全体として整えることが重要だとされる。ヤマハの演奏人口育成と同様の発想がBtoBの市場創出に適用されているとの指摘もある。
第3部の結論として、堀は資産・網・在庫・集中の4類型に整理され、ダイキンは「集中」の堀を形成する。撤退できない専業の投資深さが、総合メーカーと異なる競争優位になるとまとめられる。