米国企業と日系企業のJV成立時に現物出資資産の含み損益に係る特別配賦として704条(c)の三方式が適用され、ディールエコノミクスを左右する交渉ポイントが焦点となる。
日系企業と米国企業がJVを組成する案件が増える中、現物出資資産に係る含み損益の減価償却費や譲渡損益を特定の方法で特別配賦する704条(c)が適用される。配賦方法の選択は、日系企業と米国企業それぞれのタックスメリット・コストを左右し、ディールの経済性に直接影響する。
704条(c)には三つの特別配賦方法が存在し、伝統的方法では簿価ベースの減価償却を日系企業へ優先配賦するが、時価が高くても簿価しか配賦されない可能性がある。補完的配賦を伴う伝統的方法では、配賦不足分を米国企業から日系企業へ資産の損金付替えなどで補う。
救済的配賦方法では日系企業が時価ベースの減価償却を最大限受け取れる一方、米国企業は不足分の所得をファントムインカムとして認識する可能性がある。無形資産の償却には救済的配賦を選択することが前提となるケースが多い。
選択手続は通常、パートナーシップの申告書で行われ、パートナーシップ契約に具体的な規定が置かれる。米国企業と力関係が強い場合、救済的配賦方法の選択を難しく感じるケースがある。
交渉の要点は、出資額と持分比率を決定した後でも配賦方法がディールバリューを左右するため、初期段階で救済的配賦方法を前提としたディールバリュー計算を日本企業側が明確に伝えることにある。