パワーエックスは大型蓄電池機器の受注拡大と黒字転換が今後を左右する材料となる。現在公表された受注は来期中心で、今期の納品進捗と黒字化の実現度が焦点となる。
パワーエックスは蓄電池の大型機器販売を主力とし、岡山の本社工場でBESSの製造・販売を展開する。2025年12月に東証グロース市場へ上場しており、代表の伊藤正裕氏は新規プロダクト開発の経験を持つ。今後は機器販売だけでなく運用・保守サービスなど継続収入の拡大が中長期の成長を左右すると見られる。
26年12月期2Q累計の売上は68.93億円で前年同期比48.3%増、営業損失は10.73億円、純損失は15.51億円となり、黒字には至らなかった。通期売上予想は380億円から400億円へ上方修正されたが、増収分の一部は研究開発等へ振り向けられており、利益増加にはつながっていない。正式受注は403.97億円、計上済みを含む売上は415.60億円と公表されたが、未計上の機器販売分784.23億円もあり、決算の定義に注意が必要である。
部門別ではBESSと電力は黒字、EV充電事業は赤字となり、上期全社費用の影響で合計の利益が押し下げられた。下期の出荷増加が保管費用の軽減と固定費比率の改善につながるかが注目される。再エネ政策の後押しとAIデータセンター向け需要の拡大を背景に、2027年の売上イメージは680~720億円、営業利益55~70億円、純利益50~60億円を想定している。
10月16日には新たな受注として48.54億円を公表、来期売上計上が中心となる見込みで、日光・宮城白石案件の正式受注化も進んでいる。今後は納品と資金回収の進捗、受注の確保とともに、利益率改善とキャッシュフローの改善が鍵となる。11月12日の3Q決算で納品と利益改善を見極め、納品遅延や在庫・売掛金の動向を総合的に確認する方針だ。