日本電子とノースカロライナ州立大学、オークリッジ国立研究所の共同研究チームが、電子ビーム3Dプリンターで作成した実物大タングステンタイルをDIII-Dに装着して耐久試験を実施し、74回のHモード放電後も形状が維持されたと発表した。
日本電子、ノースカロライナ州立大学、オークリッジ国立研究所の共同研究チームが、金属3Dプリンターで作製した実物大のタングステンタイルを米国の核融合研究装置DIII-Dの下部ダイバータに取り付け、3日間にわたりプラズマ耐久性を評価した。試験はHモード放電で74回行われ、タイルは累積約4分のプラズマ照射を受けたとされる。試験後、3Dプリントタイルは形状を保っていた一方、隣接する従来型タイルは先端部の溶融と飛散を観察した。なお、形状維持が耐熱性の総合的な優位性を示すわけではない。
3Dプリントタイルの製造にはEB-PBFと呼ばれる電子ビーム粉末床溶融結合法が用いられ、周囲温度を約1400℃以上に維持することで亀裂発生を抑制する点が特徴とされる。実物大タイルは約136×143mm、厚さ20mmの組み合わせ2枚で、タイルは銅合金製台座に取り付けられ、表面はワイヤ放電加工と多軸CNC研削で仕上げられている。材料の純度や具体的な合金組成の数値は公開されていない。
比較と認定の位置づけでは、2025年のDiMES小型試料試験やITER向け認定試験と同列には評価できず、それぞれ目的条件が異なると整理される。DiMESは約20MW/㎡の熱流束を小型試料に与え、表面損傷はわずかと報告された。ITERの認定試験は外側垂直ターゲット用の組立体を対象に6,000回の負荷試験を実施している。今回の実機試験は実物大タイルを対象にプラズマ照射を検証した点が新しい。