B Corp Asia Summit 2026がクアラルンプールで開かれ、日本企業4社の実践事例を通じて、パーパスの機能は“自社の独立”ではなく“相互依存”の関係性の構築にあるとの考えが示された。各社は日常の経営にパーパスをどう組み込むかを具体的に語った。
日本企業のパーパス策定は広がっているが、日々の意思決定へ浸透させる取り組みが不足しているとの問いに対し、B Corp Asia Summit 2026は“相互依存”という視点を提示した。サミットは、パーパスを機能させるには自社だけの独立性ではなく、社員・株主・顧客・社会との関係をどう設計するかが鍵だと位置づけた。
日本から登壇したクラダシ、バリューブックス、パタゴニア、UPDATERの4社は、それぞれ異なる事例でパーパスを日常経営の規律・対話・構造・関係性へ落とし込む試みを紹介した。クラダシは採用や日常のミーティングでパーパスを徹底、バリューブックスは対話を通じて雇用を守り、倉庫の自動化を進めた。
パタゴニアは所有構造そのものへパーパスを埋め込み、会社の資本構造を地球の長期的利益と結びつけた。UPDATERは言葉を持たないが、顔の見える電力を提供することで意味を競争優位に置き、顧客を“パトロン”と位置づけた。
4社の取り組みはいずれも、パーパスを美辞麗句にとどめず、誰を支え誰に支えられるのかを問う設計として機能している。サミットの講演者は相互依存を前提とする経済システムの実現を今後の課題と捉えた。