AIを活用して定時に帰る社員と夜間まで作業を続ける社員の評価がどう分かれるかが議論の焦点となっている。専門家は、日本企業に根づく“努力主義”の価値観が背景にあると指摘する。
生成AIを使えば下調べや資料のたたき台を短時間で作成可能になり、以前より早く業務を終えるケースが増えている。一方で、時間を短縮して成果を出した人の働き方が“頑張っている”印象として周囲に受け止められにくくなるという課題が表面化する。
豊田通商と伊藤忠商事で人事の経験を積んだ渡邉貴志氏は、AIで時間を短縮した社員は努力が見えにくく、評価や信頼関係に影響する可能性を指摘する。
組織開発コンサルタントの勅使川原真衣氏は、これはAIの出現だけの問題ではなく、長く働くことや“頑張っているように見えること”を褒める日本企業の悪しき価値観の表れだとする。
この議論は「最悪の努力主義」という言葉で表現され、社員の頑張りを評価する仕組みそのものに疑問を投げかける形で、背景には氏らの経験が語られている。