日銀が政策金利を初めて1%へ引き上げ、長期金利の上昇と市場のボラティリティが戻る。2025〜26年には企業の再編・成長投資の動きが活発化する一方、家計負担の拡大と金融機関の不安も顕在化する。
2026年6月、日本銀行が政策金利を1995年以来初めて1%に引き上げた。これを受けて10年物国債の利回りは2026年初に2.91%まで上昇し、長らく低迷していた国債市場にもボラティリティが戻った。株式市場の時価総額は2024年以降に倍増しており、新たな世代の投資意欲が高まっているとの報告もある。
政府と東京証券取引所のM&A推進の指針を背景に、2025年の日本関連買収案件は過去最高額の約3859億ドルに達した。2025年9月には三井化学・出光興産・住友化学のポリオレフィン事業統合が合意、2026年7月には三菱電機が東芝・ロームとパワー半導体事業の統合計画を公表するなど、1990年代に本来進むべき業界再編が動き出しているという。
経済産業省は7月21日、日本企業350社の資本の65%が価値を毀損する事業に滞留しているとの分析を含む成長投資ガイダンスを公表。これを受けて成長投資への転換が促される一方、家計のエンゲル係数は2025年12月に30.7%と25年ぶりの高水準へ。全東信の破綻や地方金融機関の影響、住宅建設業界の倒産件数の増加も顕在化している。
日銀の生活意識アンケートでは62%が景況悪化を感じ、日銀への信頼度は14.1%にとどまる。インフレと金利上昇の共存を巡る不安が強まる一方で、資本の動きと企業の統合・投資の加速が両立する局面となっている。