九州でのIC生産額は3年連続で1兆円を超え、2024年には全国の約半分を占める。2021年のTSMC熊本進出を契機に九州で約6.2兆円の新規投資が計画・実行され、国のクラスター政策は産業基盤を工場だけでなく研究開発や人材、サプライチェーンまで拡張する方向を示している。
九州には1960年代以降、半導体関連サプライヤーが集積し続け、現在は約1,000社が集積している。2024年時点で九州のIC生産額は全国の約半数を占め、3年連続で1兆円を超えた。2021年のTSMC熊本進出表明を契機に、九州では10年間で約6.2兆円の新規投資が計画・実行されている。
国の戦略産業クラスター計画では、デバイス工場だけでなく素材・材料、設計、製造装置、試作・テストまで拠点整備が含まれ、JASMの月産10万枚規模を見込む。周辺企業の投資も新たな投資を呼び込み、九州の産業基盤強化を目指す構図が描かれている。
日本の半導体政策は生産能力の確保から地域全体の競争力強化へと広がりつつあり、2030年の国内半導体売上高目標は15兆円、2040年には40兆円を掲げる。九州にはJASMの他、ソニーセミコンダクタ、ローム、SUMCO、東京エレクトロンなど多様な拠点が集積している。
今後の焦点は投資規模だけでなく、研究開発・人材・材料・装置・地場サプライヤー・ユーザー産業の定着と、地域内での価値創出拠点化へ移る。熊本を起点とする集積が、製造拠点の再建を超えて国内産業競争力の底上げにつながるかが鍵となる。