リスクオン・リスクオフは市場全体の投資姿勢を示す言葉であり、背景次第で為替や株式、債券、金、原油の動きが異なる。過去の代表例を整理し、ちがいを読み解く視点を紹介する。
相場ニュースでよく使われるリスクオン・リスクオフは、特定の指標や制度を指すものではなく、市場参加者のリスク許容度の変化を示す言葉である。背景には景気・金融不安・地政学・財政・インフレなどさまざまな要因があり、それぞれが為替・株・債券・金・原油の動きを左右する。
リスクオン・リスクオフの局面では、為替だけでなく株式・債券・金・原油が同時に動くことがあり、その背景として資産全体のリスク量を調整する動きが挙げられる。景気悪化や金融不安が強まると高金利通貨や景気敏感資産の保有を減らし、円やドル、国債などの安全資産へ資金が向かう傾向が生まれる。
過去の代表的な事例をみると、2017年は世界景気の改善でリスクオンが進み、ドル安・円高寄りの動きや株高・金高の動きが見られた。一方2015年の中国景気不安では円高・ドル安が進み、株は下落、国債は買われ金は安全資産として高まる場面があった。2008年リーマン・ショックや2011年東日本大震災後、2022年の高インフレ・金融引き締め局面では、円安・ドル高・株安・国債動向など、単純な機械的な反応ではない動きが生じている。
このような事例から、リスクオン・リスクオフの単純な結論に頼らず、何が原因で姿勢が変化したのかを確認し、円・ドルの動きと株・債券・金・原油の動きを並べて比較することが重要だ。背景要因の違いが、各市場の反応を大きく変える。