日本が新幹線技術を前提に超好条件の円借款を提示したムンバイ-アーメダバード高速鉄道計画だが、インドが欧州の信号設備を採用する方針を示し、開業時期の遅延と総費用の膨張が続いている。
日本は全体の事業費の大半を融資する条件と金利0.1%、返済期間50年、15年間の据置期間といった特別な支援を提示した一方で、インド側は開業を2023年予定から遅らせ、総事業費が9800億ルピー程度から少なくとも1兆8700億ルピーへと膨張している事実が指摘されている。
遅延の大きな要因としてインド国内の土地収用の遅れが挙げられており、インド鉄道省も土地収用の遅れが2021年まで事業に影響したと認めている。これが費用増と工期遅延の背景となっている。
インドは新幹線中核の信号・通信システムを日本企業ではなくドイツのシーメンスとDRAインフラコンなどの企業連合に発注する方針を公表し、日本側はこれを合意逸脱とみなしている。一方、インド側は双方の協議に基づく決定だと説明している。
シーメンス陣営が導入するETCSレベル2は欧州で実績のある列車制御方式であり、日本側は新幹線の安全性を懸念する声を示している。インドは車両の調達先についても日本以外を検討していると報じられている。