経済産業省が2027年度の税制改正要望で、賃上げ促進税制を平均給与基準へ転換し地方の中小企業を支援する方針を固めた。適用期限の延長を含む要件見直しも同時に検討されている。
経済産業省は2027年度の税制改正要望において、賃上げを実施した企業へ適用する賃上げ促進税制の要件を見直し、給与総額ではなく従業員1人当たりの平均給与額が一定程度増えた企業を支援対象とする方針を示した。地方の中小企業を念頭に賃上げ支援を手厚くする狙いがある。
現行制度では賃上げをしても従業員数の減少で給与総額が減る場合、優遇措置を受けられないケースがあるとの指摘を踏まえ、平均給与額を基準にすることで人員削減をしつつ待遇を改善する企業を評価する考えだ。賃上げ促進税制の中小企業向け適用期限は2027年3月末に設定されており、同時に適用期限を3年間延長する方針も示されている。
併せて、企業が事業を売却した際の利益への課税を軽減する新税制「事業ポートフォリオ転換・強化促進税制」の創設も要望として挙げられ、売却益の課税を一定期間延べる仕組みを想定している。これにより資金を成長投資やM&Aに振り向けやすくする狙いがある。
また、子育て支援に関連する税制措置の拡充も調整対象として盛り込む方針で、総じて賃上げ持続と事業再編の促進を同時に進める構図となっている。