日本の長期金利が上昇しているにもかかわらず円安が止まらない現象を、データで整理する。日銀の政策正常化や財政リスク、BEIの上昇、海外金利の動向が絡むとする観点を示す。
日本の長期金利は急速に上昇しているにもかかわらず、円安は継続している。長期金利のベースとなる名目金利は実質金利に予想インフレ率を加えたものだが、BEIが今年に入り急上昇して2.2%を超えた。BEIの上昇は長期金利を押し上げる要因となっている。
長期金利の上昇には短期金利の上昇も関係しており、日銀の金融政策正常化と国債買い入れの減額(QT)が進むことで、国債の需給が民間へ移動する局面が生じている。これにより長期金利が上昇しやすくなる。
財政リスクは長短金利のスプレッドの拡大という形で表れ、日本の金利スプレッドは異常に大きく、2025年10月に高市首相へ政権交代後に拡大したと指摘されている。財政赤字の拡大と国債発行の増加が投資家の利回り要求を高める要因とされる。
海外金利の上昇も円安に影響を及ぼす要因として挙げられる。投資家は世界の債券を比較しており、海外投資家の日本国債市場での存在感が高まるほど日本の財政・金融政策の国際的評価が金利に反映されやすくなるとされる。
財政リスクとインフレの側面を含む要因分解では、短期金利を除くと財政が最大の要因となり得るとの見方が示される。家計の預金1100兆円はマネタリーベース575兆円と同義ではなく、マネタリーベースは日銀の金融政策の影響で変動するとの説明も併せて記されている。