富士フイルムホールディングスは買収後の統合を長期間にわたり管理する「ICU式PMI」を採用し、これまでの大型M&Aの統合プロセスを説明した。現在 CFO を務める樋口昌之氏が、のれんを長く計上している事情にも触れた。
富士フイルムHDは2000年代以降、デジタル化の波に対応してM&Aを積極化。04年以降に実施したM&Aは40件を超えるとされ、11年にはメルクの受託製造子会社を買収してCDMO事業へ参入した。19年にはバイオジェンから製造子会社を約990億円で取得し、21年には日立製作所の画像診断機器事業も約1790億円で買収した。
買収後の統合(PMI)は買収後3カ月程度の“100日プラン”で区切って完了と見る企業が多い中、富士フイルムは六段階に分けて管理する方針をとる。樋口氏はこのプロセスを「ICU(集中治療室)」に例え、健康に向けて結果が出るまで何年でもICUに留まるべきだと説明している。
PMIには本社の知財、人事、経理、経営企画などの部門が関与し、必要に応じて経営陣も加わる。売上高や利益、在庫などのデータを“バイタルサイン”のように監視し、計画からの下振れが見えれば早期に対処する。
現時点でののれんは約9900億円に達しているが、過去20年間で大型ののれん減損は計上していない。