中国のAI半導体企業の半期決算や業界データから、ハイエンド演算能力をめぐる需要が供給を大幅に上回り、川上から川下までの各段階で受注が急増している。壁仞科技の売上が前年同期比約21倍に拡大する一方、データセンターや周辺の組み込み・設計部門にも注文が集中している。
中国のAI半導体企業・壁仞科技が直近の半期決算で売上高が前年同期比約21倍に急増した。併せて、寒武紀とMoore Threadsの売上高も急増しており、高性能演算能力をめぐる需要が高まっている。これにはハイエンド演算能力を支えるチップ供給不足が背景として挙げられる。
内モンゴル自治区の遠景星河基地インテリジェントコンピューティングパークには世界最大級の独立データセンターがあり、AIアクセラレーターカード100万枚規模の並列処理能力を想定している。遠景人工知能演算能力センターの副社長は、受注は現在3年先まで埋まっており、今後数年間で顧客数と受注量が倍増する見込みだと語る。
川下のインテリジェントコンピューティングセンターから川中のシステムインテグレーション、さらには川上のチップ設計に至る産業チェーン全体で、次々と届く注文への対応が求められている。太初(杭州)集成電路のCPO兼上級副社長は、過去1年で顧客数が10倍、科学研究・教育分野の需要が特に伸び、売上高が前年比で約26%増と説明した。
国内AIチップの需要と供給のギャップが顕在化している。業界の試算では2026年の国内需要は約400万個ながら、実出荷は約300万個にとどまり、1百万個分の生産能力不足が生じているという。
8月に発表された国産AIチップメーカーの半期決算は、いずれも売上高の急増を伝え、川上から川中・川下までの全体が「次々の注文対応」に追われている状況が続く見通しだ。