創業80年のアックスヤマザキが独自の毛糸ミシンで市場を開拓。特許で守りつつ海外展開を進め、次なる価値創出へと動く。
大阪市生野区の老舗ミシンメーカー、アックスヤマザキは創業80年を迎え、3代目の山崎一史社長の下で知財を経営戦略の核に据えた。模倣や大手企業との攻防を経験しつつ、特許を通じて自社の独自性を守り、次の価値へつなげる経営に転じた。
15年に発売した子供向けの毛糸ミシンが大ヒットし、累計販売は15万台を超えた。海外市場を視野に入れ、18年にはPCTに基づく国際出願を実施。結果として米国などで特許を取得し、類似商品を展開する海外メーカーには通知を送って販売を停止させた。
20年代には宇宙服の修理を想定したMIRAIミシンを開発。ソファやサドルなどに直接ステッチを施すデザインで、昨年の大阪万博でコンセプトモデルが披露され、反響を呼んだ。知財戦略は生活者の課題から新しい価値を見いだす方向へと深化した。
現在も模倣対策を継続しつつ、現地の声を重視した海外展開を模索。特許を“取るだけ”でなく、費用と労力をかけて権利を守る現実を認識しつつ、リブランディングや新市場開拓を視野に入れて事業を拡大していく方針を示している。