塩野義製薬が定年を実質的に廃止し、65歳まで給与水準を維持したまま再雇用する制度を導入する見込み。社内外のフリー・エージェント制度も導入され、AIを活用した業務改革を進める。
塩野義製薬が定年の実質的廃止を検討・導入する見込みで、定年を65歳まで引き上げ、希望と能力があれば正社員として継続勤務できる制度を整備する方針が取り上げられている。年齢上限は設けられず、継続勤務に対して職務目標の達成が評価基準となる見込みだ。これは60歳定年制からの転換であり、再雇用時の賃金水準の維持を前提とする。併せて社内FAと社外FA制度が導入され、部門横断的な配置や専門性を活かした兼業的就労が可能になる。
これに合わせて、他社の動向としてソニー、日立製作所、帝人がフリー・エージェント制度を導入する方針を示しており、働く人の選択肢と労働市場の柔軟性が高まる可能性が指摘されている。高齢者の雇用状況に関する公的データでは、65歳以上を定年とする企業の比率が上昇しており、定年制を廃止する企業も増加している。
一方、定年制度の見直しは労働市場の硬直性を緩和する動きとして捉えられており、YKKグループの19年の定年廃止事例などを通じて、年齢に依存しない賃金水準の維持やジョブ型雇用への移行が検討されている。今後はAIによる業務代替の進展を背景に、人材制度の根本的な再設計が企業戦略の要件として強まるとの見方がある。