米国の長期データから債券と株式の相関がプラスになる局面が増え、インフレが高まる局面での金利動向が注目される。日本も高インフレ期に入りつつあり、債券の安定収益性と新たな役割が議論されている。
従来は債券と株式の関係が逆相関だったが、ここ数年は同じ方向に動くことが多くなっている。デフレ下で培われた投資経験が通用しなくなっている局面が想定される。
米国の120年間を通じた分析では、両者の相関係数がプラスになる時期が長く、その多くはCPI前年比が2.5%を上回る期間と重なる。理由は金融政策の目的の違いにあり、低インフレ期には経済成長が重視され、緩和で債券価格が上昇する。一方高インフレ期には金融引き締めで両者とも下落する傾向がある。
米国だけでなく日本も高インフレ期に突入しており、債券は従来の安全資産とは言い難くなっている。リスクプレミアムが要求され長期金利には上昇圧力がかかる見通しだ。代替投資として高配当株や金投資、オルタナティブ投資が検討される一方、債券は安定したインカムゲインが最大の強みとして捉えられている。
すでに訪れつつある「金利が十分にある世界」を味方につける動きもあり、債券にはポートフォリオの基盤となるベース資産としての新たな役割が期待されている。
全6回にわたり、インフレ下での金利の読み方や債券の新たな魅力を探る連載が計画されている。