台湾セメントは臨時取締役会で、ウクライナのセメント・建材大手IFCEMと関連3社を買収する方針を承認した。取引はオランダ子会社を通じて実施され、関係当局の承認後に完了する見込み。
台湾セメント(TCC)は9月22日の臨時取締役会で、ウクライナのセメント・建材大手IFCEMおよび関連企業3社を買収することを承認した。買収の総額は企業価値を上限として7億5,000万ユーロとなる見込みで、取引はTCCのオランダ子会社を介して行われる。完了には台湾・ウクライナ双方の当局承認が必要で、承認後に決済が実行される予定だ。
IFCEMは年間430万トンのセメント生産能力を持つ企業で、プレキャストコンクリート製品や屋根材、石膏ボードなども手掛ける。TCCは世界有数のセメントメーカーとして40カ所以上の生産拠点を有し、年間生産能力は1億1,200万トンを超える。買収後は低炭素技術や生産ノウハウの導入を進め、欧州の事業基盤を東欧へ拡大することを目指す。
CBAM(EUの炭素国境調整メカニズム)の本格適用が2026年から始まる中、IFCEMはEU市場での輸出競争力維持のため脱炭素化投資を推進してきた。TCCはこの知見を活用してウクライナと欧州の戦後復興を支援する持続可能性の実現を志し、脱炭素技術を活用した事業展開を進める方針だ。
一方、ウクライナのセメント生産は侵攻前の水準には戻っていないが、近隣諸国への輸出は拡大している。2021年の輸出量は97万トンだったが、2024年には170万トンに増加しており、国内需要は低迷している。