世界最大級のプライベート・エクイティ(PE)運用会社の中国本土での新規投資が2024年以降0件となっており、資金は日本・インド・オーストラリアなどに流入している。大手ファンドのアジア向けファンドの規模が拡大する一方、地政学的リスクと規制強化が投資環境の変化を招いている。
世界最大級のPE運用会社10社の中国本土企業に対する新規エクイティ投資は、2024年に2件、2025年には3件へと急減し、2024年以降の時点でも新規投資は0件と集計された。対象はブラックストーン、KKR、カーライルら10社で、公開の新規エクイティ投資のみを集計対象としている。
投資資金はプライベート・エクイティ業界の出資者である年金基金や保険会社などから集まるが、中国の経済成長鈍化と米金利上昇、及び規制強化を背景に、中国本土での出口(売却・回収)が難しくなっていると分析されている。
中国当局のAIを含む敏感分野への規制強化や大手企業のM&A取引の遅延事例が伝えられ、米国資本の中国への出資に対する参入障壁が高まっているとの見方が示された。一方、日本・インド・オーストラリアなど他のアジア諸国を代替投資先として注視する動きが進み、既存ファンドの資金調達状況は活発化している。
EQTはアジア太平洋で過去最大級のファンドを組成(156億ドル)、ブラックストーンはアジアファンドを131億ドルで完了させ、両社の新規資金だけで合計約287億ドルに達する。これにより、PE市場は中国以外のアジアへ資金の流入を加速させる可能性がある。