鉄道インフラ更新のサイクルが本格化し、東海道新幹線の老朽化対策を皮切りに、JR各社が巨額の更新投資を進める。信号・ホームドア・遠隔監視など、更新の“頭脳”を担う分野にも注目が集まる。
日本の鉄道投資は新線建設から既存設備の長期運用を前提とした大規模更新へと重心が移っている。1964年開業の東海道新幹線を例に、政府方針も老朽化対策を重要課題と位置づけ、2026年度には安全関連投資が巨額になる見通しだ。
JRグループの投資規模は大きく、JR東海は2026年度の安全関連投資を2,440億円、うち1,700億円を設備投資に見込む。JR東日本は安全投資約1.3兆円を掲げ、ホームドアを約244駅・758番線へ整備する計画で関連投資額は約4,900億円。JR西日本は2023~2027年度で安全投資を従来より増額し、総額を6,100億円へ拡大した。
人手不足が更新需要を押し上げる要因として挙げられ、国土交通省は2025年に鉄道分野の省力化投資促進プランをまとめ、保守作業の機械化・標準化・デジタル化を後押しした。今後は信号の電子化やホームドア、遠隔監視、保守機械、軌道工事、橋梁補修など幅広い分野で投資の波及が見込まれる。
本稿では東証上場企業から20銘柄を選定する中で、信号・踏切・列車制御設備といった更新需要の中核を担う企業として日本信号と京三製作所を取り上げた。信号機器の更新だけでなく、自動運転対応や保守DXなどの領域拡大が進んでいる点が特徴として挙げられる。