昭和天皇を狙ったとされる52年前のテロ計画と、それを阻止・発覚させた経緯を時系列で追う。北海道出身の大道寺将司らが結成した組織と「狼」ユニットが、爆弾を使ったテロを計画・実行したが死傷者は出なかった。
1969年、法政大学在学中の大道寺将司と片岡利明らはノンセクト系の学生運動グループ「Lクラス闘争委員会」を結成し、戦後の経済成長を含む武装闘争を理論づけた。彼らは日本企業の海外進出を経済的侵略と捉え、アジア諸国の抑圧に抗して武装闘争を行うべきだと考えた。
1971年には爆弾製造の実験を重ね、興亜観音と殉国七士之碑に時限爆弾を仕掛けた。1972年には總持寺の納骨堂、1974年には風雪の群像にも爆弾を仕掛けたが、いずれも死傷者は出なかった。
爆発が起きた場所は寺社仏閣や慰霊碑であり、標的は日本の侵略や民族抑圧を象徴するとみなされた施設ばかりだった。三度の爆破後、彼らは自分たちの武装闘争を「東アジア反日武装戦線」として結集させ、グループ名を狼と名乗る。
この間、薬剤師のあや子は薬品入手のため都内の職場へ転職、相棒は地下室を自宅に作り爆弾を製造。さらに創価学会に入信を装い、組織の対外的な名乗りを強化した。