東証グロース市場の上場維持基準が見直され、5年経過後の時価総額100億円以上という新基準が適用予定となる。一方でIPO件数は減少傾向にあり、スタートアップのエグジット戦略をM&Aへ振る動きが強まっている。
日本政府のスタートアップ育成政策の下、グロース市場の上場維持基準を厳格化する方針が示され、2030年以降は上場から5年経過後に時価総額100億円以上を求める新基準が適用される予定です。これにより、時価総額が100億円未満の企業は上場廃止の可能性が高まり、スタートアップの成長戦略にも影響が及ぶと見られています。
スタートアップIPO件数は2025年に31社と、2024年の49社から大幅に減少しており、100億円規模を確保できない企業での上場難易度が上がっています。これにより、上場後の成長戦略の選択肢が狭まり、M&Aをエグジットの現実的な選択肢として検討する動きが加速しています。
米日比較では、米国ではIPOは成熟企業の道でありつつも、M&Aが主要なエグジット手段として広く根付いています。一方、日本ではIPO基準の緩さから小規模なIPOが中心となり、エグジットの規模も小粒な傾向が続いています。これが日本市場の資金回収サイクルの回転性を阻むとの指摘もあり、エコシステムの再設計が求められています。
政府・経済産業省はスタートアップM&Aガイダンスを公表し、マイノリティ株主の先買権を段階的に設ける案やドラッグアロング条項の運用条件を見直す方針を提示しました。経営陣の同意要件と補償責任の上限設定が、売り手の予見可能性を高める点で重要とされています。