製薬企業アステラスと島津製作所の研究チームが、ロボットを活用したハイスループット実験法を共同開発し、反応条件を大量に同時検討できる環境の構築が進んだとされます。
2022年春から始まったこの取り組みは、有望な薬の候補の製造方法を安定的に確立する必要性を背景に、研究現場の課題意識から生まれたものであると報じられています。化学合成薬の複雑化に伴い、原料から原薬まで約20工程の検討条件を必要とする現状を踏まえ、探索の幅を広げる目的でハイスループット手法の導入が進められたとされます。
研究チームは半自動の高スループット実験法の構築を進め、島津製作所と協力して安定性と自動化を両立させる課題に取り組んだとされます。キャップの自動閉鎖など技術的障壁を克服する過程で、実用化に向けた作業負荷を低減しつつ、複数条件の同時評価を実現したことが伝えられています。
この取り組みによって、従来手作業で週10件程度だった反応条件の検討が、同一実験環境下で2,000件へと拡大したとされます。また、約5mgという微量材料での実験が可能となり、初期開発段階での候補化合物の検討範囲が広がったと報じられています。
現在は抗がん剤など複数のプロジェクトで活用が進み、AIによる意思決定支援を視野に入れたデータ活用の拡張が今後の展望として挙げられているとされます。
研究現場の情熱と協力関係の深化が、より速く高品質な価値の創出につながるとの認識が示されているとされます。