博報堂DYホールディングスの矢嶋弘毅氏への取材を通じ、変革を支えるファイナンス戦略としてM&AやJVを手段とし、組織再編と資本の使い方で成長を狙う方針が詳しく説明されている。
取材では、M&Aだけでなく共同出資やJV、グループ内部の統合・再編といった多様な手段を組み合わせて、戦略を実現するファイナンスの役割が強調される。矢嶋氏は、M&Aはグループ内へ取り込みたい時、JVは双方のナレッジや資産を融合したい時に適していると説明する。これにより、同質性と多様性のバランスを取りつつ組織を動かす重要性が示される。
また、グループ内部の組織再編では博報堂テクノロジーズの設立やDACとアイレップの統合・再編によるHakuhodo DY ONEの設立など、時代の変化に応じた最適な組織形態を追求してきた経緯が説明される。矢嶋氏はAI時代の変革に対応するため、組織と人材の迅速な適応が鍵だと語る。
投資の3つの領域として、従来のマーケティング・コミュニケーションを超えたマーケティング・ソリューション事業、隣接領域、そして新市場を開く飛び地領域を挙げる。飛び地領域にはCVCの設立や海外ファンドへの出資など、未来のパートナーと接点を広げる取り組みが含まれる。さらに、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUNDを中心としたファンド運用やWiL等との連携が説明される。
AI時代の経営方針としては「3つのA」(Automation、Augmentation、Aspiration)を重視し、AIを活用した人間の創造性を高める“AI-POWERED CREATIVITY”を戦略の核に据える。PL経営だけでなくBS経営へと視点を移し、資金調達と資本配分を戦略とバランスさせ、未来の競争力につながる投資を進める考えが示される。