GPIFをはじめとする公的マネーが日本株の需給をどのように動かすのか、その仕組みと観測のポイントを整理している。
株価は企業の業績だけで動くわけではなく、今その瞬間に市場に現れる買い手と売り手の数と力関係が大きく作用する。長期的には企業価値が土台となるが、需給の偏りが株価を上下させる場面は珍しくない。公的マネーは個人や海外投資家とは別の規模と性質で市場に影響を及ぼし得るため、需給の読み方を理解することが重要になる。
クジラと呼ばれる巨額資金を動かす主体の代表として、GPIFをはじめとする公的年金や共済組合、運用会社、信託銀行などが挙げられる。これらの資金がどのようなルールや条件で国内株式を買い、どの局面で売る可能性があるかを知ることで、相場の流れを判断材料に含められるとされる。
ただし公的マネーは株価を上げるためだけに動くわけではなく、特定企業の支援が目的でもない。動きは基本ポートフォリオや資産構成、許容乖離、為替変動、年金給付需要、委託先の判断など複数の要因で決まる。そのため最新の公開情報だけを手掛かりに、確率ベースで需給を推測する手法が重要になる。
この本は、クジラの背中に乗るという比喩のもと、多様な情報を組み合わせて公的マネーの動く構造を解明し、誰もが自分で需給観測と売買シナリオの作成をできるようにすることを目指す。見えない流れを足跡から読み解く力を養うことが狙いとされる。