Daigasグループは米国シェールガス開発企業サビン社の株式を取得し、日本企業として初の米国シェールガス会社買収を実現した。買収後は完全子会社化を通じてエリア拡大と生産量の増加を進めている。
Daigasグループは2012年に米国テキサス州でシェールガス開発へ参入し、水平掘削や水圧破砕の技術普及の流れの中で約200億円を投じた。だが地層の複雑さが予想以上で採算性が低く、2013年には290億円の特別損失を計上するに至った。未知の「ピアソール地層」に対する不確実性が背景にあり、優良エリア選定とデータに基づく判断の重要性を学ぶこととなった。
新たな機会を求めて約100社を訪問する中で、2017年8月にサビン社と出会い、周辺エリアで安定した生産実績を持つ同社の資産の一部を取得する交渉に着手。2018年6月には35%の権益を取得することで信頼関係を築き、2019年7月には買収契約を締結して日本企業初の米国シェールガス会社買収を実現した。
完全子会社化によりDaigasグループの信用力が向上し、資金調達力が強化。現地の権限移譲と幹部間の緊密な連携で機動力を確保した。鉱区面積は2018年7月時点の約500平方キロメートルから、2025年末には約2,100平方キロメートルへ拡大し、価格ヘッジを活用して収益の安定化を図った。生産量は買収時の約170万トンから、2025年実績約390万トン、2026年度計画約400万トンへと拡大している。
今後は有望な新規エリアの獲得を継続しつつ、米国内のエネルギー需要増加とLNG輸出需要の拡大を背景に、安定的なガス供給と脱炭素の両立を目指す。サビン社は組織の若返りを進めつつ、持続的な事業成長を追求していく方針。