トーヨータイヤはセルビア工場を活用して欧州向けの地産地消体制を強化する。新中期計画では工場新設を含む3400億円の戦略投資を掲げ、欧州供給の安定化とブランド強化を目指す。
2025年12月期の売上高・営業利益が過去最高を更新したトーヨータイヤは、26年12月期も増収を見込むとし、5カ年の新中期経営計画に3400億円の戦略投資を盛り込んだ。トラック・バス用タイヤの新工場を含む複数の新工場プロジェクトを掲げ、攻めの姿勢を打ち出している。
外部環境として中東情勢の悪化による原材料費高騰や米国の関税方針の不透明感が続く中、清水隆史社長は情勢を見極めつつ計画を遂行する考えを示した。新工場の候補地には米国、セルビア、マレーシア、日本の4地域が挙がっており、近隣地での新設を基本線とする方針だ。
欧州では現地販売体制をセルビアへ集約するなど販売体制を大きく見直した。セルビア工場を現地生産拠点として活用することで、欧州向け納期を従来の5カ月から2週間へ短縮し、需給の確度を高めていく。今後は地産地消の体制を軸に信頼獲得を狙い、将来的にはドイツ等に販売拠点を再設置する可能性も検討されている。
セルビア工場にはR&Dセンターを併設し、年末の竣工を目指す。新技術体系「THiiiNK」に基づく開発体制の強化と、タイヤ開発期間を短縮する取り組みも打ち出された。北米市場でのオフロードタイヤなどが業績をけん引する一方、日本・欧州の市場も中計の実現には重要と位置づけられている。