次世代AIサーバーの設置を巡る日本の法規制の盲点と緩和動きが浮上した。1,000リットル規制をはじめ、800ボルト直流給電や蓄電池の扱いなど、投資先の選択肢に影響を与える論点が整理されている。
日本経済新聞の報道を基に、日本で次世代AIサーバーを導入する際の障壁となっているのは、昭和時代に定められた1,000リットルという蓄電池総量の規制と、それに付随する電力消費の大きさである。現行世代のサーバーラックは約150キロワットを消費し、量産化が進むRubin世代は200キロワット超、Rubin Ultraでは600キロワット以上に達する可能性がある。これらはデータセンターの設計と電力供給の在り方を大きく左右する。
蓄電池の内部に含まれる電解液は消防法上の第2石油類の危険物に分類され、指定数量が1,000リットルを超えると取扱いが厳格化される。現行の運用では敷地の分割等で回避は可能だが、セキュリティ動線の分断や保守コストの増大といった副作用が生じる。日本データセンター協会はUL9540Aに準じた安全性評価の導入を訴え、欧米の規制に整合させる動きを進めている。
政府は規制改革推進会議の答申と実施計画で緩和方針を打ち出し、蓄電池の試験基準をUL9540Aと整合させ、建築基準法の貯蔵量規制の適用除外を検討対象にする方針を示した。さらに水系消火設備や800ボルト直流の扱いについても前向きな検討が進む見通しで、海外企業の国内立地を促す可能性が指摘されている。
ただし課題は残る。UL9540Aの適合を国内で実証する試験環境の整備と、800ボルト直流の法令・技術基準の明確化がまだ完了していない。Rubin Ultraの導入は2027年ごろが想定され、設計・確認申請・建設のリードタイムを考えると、対応途中での遅延が事業の速度を左右する可能性がある。