内視鏡のバリューチェーンを川上から川下まで網羅する動きが活発化。3Dマトリックスの黒字化を契機に、国内外での事業切り出し・提携・買収が同時に進んでいる。
内視鏡関連のテーマは、3Dマトリックス(7777)の2026年4月期決算で上市製品の黒字化が初めて達成され、米国での内視鏡領域の売上が大幅に伸びたことを起点に、川上から川中・川下へと資金の向かい方が変化している。米国の製品販売は前期比ほぼ倍増となり、止血材や処置具などを含む関連商品の需要喚起が進んだ。
2025年11月にはカネカが日本ゼオンから医療器材事業を譲り受け、ゼオンメディカルとして国内市場でのシェア拡大が見込まれ、同月には住友ベークライトが大腸ステント・胃十二指腸ステントの販売をオリンパスマーケティングと提携、2025年12月から国内販売を開始。さらにHOYAは2026年5月1日付で内視鏡事業をPENTAX Medical合同会社へ分社化した。これによりプレイヤーの役割分担が見直され、事業を切り出す動きと統合を同時に推進する流れが鮮明となった。
需要側の動きとして、栄研化学の便潜血検査は国内シェア68%を維持し、英国で2026年7月、フランスで2026年1月から国家規模の大腸がんスクリーニングに採用される見通し。検査の入口が世界規模で広がることで、スコープ・止血材・洗浄材など内視鏡関連全体の母数が増える点が注目される。
一方でオリンパスはFDA関連の輸入警告と自社出荷停止による約300億円の影響を受け、2026年3月期の調整後利益は前年比で減少。2027年3月期第1四半期には売上高2,404億円、営業利益289億円、親会社株主に帰属する四半期利益191億円と大幅な増収増益を見込むが、依然として製品群全体の収益性には不確実性が残る。全体としては、本体メーカーだけを追えば勝てないとの認識のもと、川上から川下までの銘柄を広く並べる構成が取られている。