日銀の植田総裁が会見で「政策の局面が変化した」と表現したことを巡り、基調的な物価上昇率の上振れリスクを警戒する態勢へ移行したことや、デフレ脱却ストーリーが終盤に近づいているとの認識が示された。複数の意味合いが同時に語られていると整理されている。
日銀は9月の金融政策決定会合で追加利上げを実施した。会見で植田総裁は「局面が変化した」との認識を示し、基調的な物価上昇率が2%に接近しており、上振れリスクを警戒する局面へ移行したと解釈される。これまでの政策は2%を下回る想定の下で一時的な物価上昇を許容してきたが、現在は2%程度の安定を目指す観点が重要になるとの考えが示された。
第二の意味として、局面の変化はインフレ上振れを容認しにくい段階へ移行したという解釈と、デフレ脱却ストーリーが最終盤に近づいたとの自己認識の重なりであると要約されている。会見ではインフレリスクへの機動的対応と、金融システム・資産価格への配慮が同時に示唆された。
第三の意味として、日銀はこれまでの異次元緩和の正常化を進めつつ、基調インフレ率を2%近辺に安定させるフェーズへ入りつつあるとの見方が示され、利上げ局面の終わりに近づく可能性が指摘された。中立金利到達を前提に、今後は「どの水準で正常化が完成したと判断するか」に焦点が移りつつあるとの見方も述べられている。
全体として、局面の変化はインフレ率を押し上げる政策から安定させる政策への転換と、異次元緩和の出口戦略が最終盤へ差し掛かった可能性を示していると読み取れる。今後も追加利上げの余地は残るが、ターミナルレートの大幅な上昇は現時点では想定しにくいとの見方が多い。