日東工業は日本IBMと共同で、設備図面から分電盤の見積に必要な情報を自動抽出するマルチモーダル生成AIを開発し、全国23拠点での運用を段階的に開始する。
日東工業は2026年10月20日、日本IBMの支援を得て、図面解析を通じ分電盤の見積に必要な情報を抽出するWebアプリを開発したと発表した。対象は全国23拠点で、約50名の営業担当者が利用できる運用環境を整え、同月から順次実務での運用を開始する予定である。生成AIを単なるツールではなく業務プロセスの中核に組み込むことで、見積業務の迅速化と品質の均一化を狙う。
背景には人手不足と属人化の深刻化があり、分電盤の見積業務は多様な図面形式と法規・製品仕様の読み取りが必要とされてきた。競合他社もデジタル化を進めており、日東工業は約1年半にわたりIBMと見積ノウハウの整理・業務知識の構造化に取り組んだ。
今回開発されたアプリは建物図面をアップロードすると、マルチモーダルAIが回路情報や機器情報、特記事項を自動抽出するWebアプリケーションで、統合AI基盤のリファレンスアーキテクチャを採用した。生成AI活用手法「IBM Consulting Advantage」やAIエージェントフレームワークを実装し、将来的な技術進化や業務要件の変化にも対応可能な構成となっている。
日東工業と日本IBMはAIガバナンスを含む全社レベルのAI活用基盤を検討し、全国23拠点での運用を通じてAIを安全かつ効果的に活用する体制を整える。今後は現場からのフィードバックを反映し図面読み取り精度の向上と対応範囲の拡大を進め、見積データとノウハウを周辺業務へ展開することを視野に入れている。