BloombergNEFの長期エネルギー見通し2026日本版が、日本のデータセンターとEVの普及で電力需要が上昇し、系統強化などの投資が不可欠になると指摘している。政府の脱炭素目標の実現可能性を問う内容で、エネルギー安全保障の観点も詳述している。
日本の将来の電力需要は、データセンターと電気自動車の拡大により増加に転じるとされる。これに対応するには、系統の増強を含む大規模な投資が必要で、2026年から2050年の期間で総額3890億ドル(約60兆円)が見込まれている。既存設備の更新が半数以上を占め、系統増強が約3分の1を占める内訳とされるが、財源の具体的な示し方には不透明さがある。
リポートは、2050年時点の総需要は1000TWhを下回るとしつつも、AI普及や electrification による需要増を挙げ、データセンターやEVの需要がそれぞれ100TWh超の増加を見込むとする。一方でヒートポンプは需要を下支えするが、産業・建物の減少と人口減の影響により、全体の増加は正味約95TWh程度にとどまるとされる。
エネルギー安全保障の観点では、ETS(経済移行シナリオ)下の2024年のエネルギー・コモディティ輸入が約1670億ドルでGDPの約4%を占めるとの推計が示され、2050年には輸入が1110億ドルまで縮小する見込みで約33%減少する。一方NZS(ネットゼロ・シナリオ)では化石燃料の輸入が310億ドルへ大幅減となり、2024年比で約82%減となる。
さらに、ETS下でのCO2削減は2050年に32〜33%程度にとどまるとの見通しが示され、再エネの徹底的な導入と系統強化を進めることが脱炭素の道筋として強調される。石炭火力の延命や原子力のリプレースには莫大な補助金が必要となり、再エネ投資が相対的に低水準である現状は課題とされる。