三井E&Sと独エヴァレンスは舶用エンジンのライセンス契約100周年を迎え、長年の協業を深化させている。一方、VWによるエヴァレンス売却の動向が今後の展開に影を落とす可能性がある。
三井E&Sは独エヴァレンスと舶用エンジンのライセンス生産契約を締結してから100周年を迎え、国内大型舶用エンジン市場でシェア6割以上を占める最大手へと成長してきた。環境対応の観点ではメタノールやアンモニアを燃料とする大型エンジンの開発などを進め、設計・開発とモノづくりを分業する形で協力関係を深化させている。
これまでの協力関係を受け、三井E&Sとエヴァレンスのトップは「新しい価値を共に生み出すパートナー」としての連携を強調し、両社の関係性は今後も安定的に推移するとの認識を示している。三井E&Sは百周年を機に両社の連携を今後も継続させる考えを表明している。
一方、VWはエヴァレンスをベインキャピタルに売却することで合意し、保有株式の51%を74億ユーロで譲渡、2026年末の手続き完了を目指す。エヴァレンスは大型舶用エンジンを主轴に事業展開しているが、VWの経営再建の影響を受ける可能性がある。
ファンド傘下での出口戦略として大型舶用エンジン事業の売却やIPOなどが想定され、競合メーカーへの売却が実現すれば日本の海事産業全体に影響を及ぼす可能性がある。政府の造船戦略とともに、今後の動向が注目されている。