7月末から8月初めにかけ日米が協調介入し、円買いで対ドルの水準を回復させた。米国がユーロを売る手法を取るなど市場へ波及可能性を示唆し、人民元やユーロにも影響が生じた。今後の続報が注目される。
円安の背景には日米の金利差があり、日本銀行の政策金利が約1.0%、米国のFF金利が3.50〜3.75%と差が拡大していた。エネルギー価格の上昇や輸入インフレを背景に円は一時164円近辺まで下落し、1986年以来の安値水準となった。
7月30〜31日に財務省は日米で協調して市場介入を実施。財務省が円を買い入れ、米国は金融機関にユーロ売り・円買いを委託したとされ、米側の規模は約100億ドルと推定される。ベッセント財務長官は円相場の安定が世界の金融安定に資すると説明した。
介入後、円は一時155円近辺まで上昇し、週間で約5%上昇。ユーロ・円相場も180円を割り込むなど変動が生じたが、日米の金利差や経済のファンダメンタルは変わらず、効果は一時的との見方が多い。
日米介入は短期的には人民元を含むアジア通貨へ上昇圧力を及ぼす可能性がある。人民元は対ドルで一時6.75元を上回る水準を付け、円高は人民元の実効為替レートを下支える可能性がある。欧州方面ではユーロが円に対して下落する局面もあったが、ユーロへの影響は限定的とみられる。
ECBは直接介入を避け市場判断を重視する姿勢を維持。今回の動きは国際通貨秩序の課題を浮き彫りにし、ドル中心の体制や外貨準備の多様化が今後の焦点となる。