日本の初発統合失調症患者を対象に、長時間作用型LAI抗精神病薬の開始はごくわずかで、経口薬からLAIへの切り替え状況や開始パターンがJMDCデータを用いて初めて明らかになった。
京都大学の研究グループは、JMDCレセプトデータベースを用いて2005年1月から2024年3月までの初発統合失調症に近似するコホートを対象に、LAI抗精神病薬の開始パターンを縦断的に記述した。対象は2万4,226例、フォローアップの中央値は30ヵ月である。
研究期間中にLAI抗精神病薬の調剤を1回以上行った患者は437例(全体の1.8%)にとどまった。診断から初回LAI調剤までの期間の中央値は12ヵ月で、LAI調剤を受けた割合は期間を通じて2%未満だった。
経口薬からLAI薬へ切り替えた患者について、LAI開始前1年間のPDCの中央値は0.82であり、同期間中に26.9%が医療保護入院を経験していた。
著者は、日本の医療保険加入者のレセプト集団においてLAI開始はまれで、多くは経口薬開始後に行われていると解釈している。これらは新たに治療を開始した統合失調症患者におけるLAI開始パターンの実態を示すと述べている。