野村ホールディングスをはじめとする証券株が底堅い動きを示し、個人の資産運用需要の高まりとインフレ・金利上昇による“貯蓄から投資へ”の流れが背景として浮上している。構造改革を進める証券業界の変化も注目される。
野村ホールディングスなどの証券株が市場で静かな注目を集めており、株式市場の景気敏感株としての性格は薄まりつつある。背景には市場環境の好転だけでなく、証券業界が長期的に転換を進めてきたビジネスモデルの変化が関係している。
投資家の懐具合が温かいことが証券株の堅調を支えている。日経平均が高値圏でやや調整してもTOPIXは安定して推移し、割安株や内需株へ資金が流入。個人投資家の投資利益の増加が資産運用ニーズを喚起し、証券会社の安定収益の追い風となっている。
インフレと金利上昇の環境変化も影響している。国内の新発10年物国債の利回りは約3%近くまで上昇し、家計の株式・投資信託保有残高は前年同期比で44%増の約678兆円となり、保険・年金(約585兆円)を上回る水準となった。貯蓄の価値減少を背景に、資産防衛としての運用意識が高まっている。
証券業界では個人の運用需要を取り込むため、顧客の資産を中長期で預かり残高に応じた継続的な手数料を得るモデルへ移行してきた。投資信託やファンドラップの残高が増え、日々の相場変動に過度に依存しない収益基盤が整いつつある。