ダイフクの寺井友章社長は、半導体向け搬送システムが台湾・韓国・中国で大口受注を獲得していると明かした。今後は国内外の生産能力増強やM&Aを通じた事業拡大を推進する方針だ。
寺井社長は、物流の自動化においてロボットを自律的に動かす「フィジカルAI」について、人型ロボットは目的ではなく、物流センターのピッキングなど人手不足を補うロボットを想定していると語った。初期の検証は単純作業の反復から進み、現実社会で人と協働して働くには5年以上を見込む。安全基準の整備も必要だと指摘した。
また同社の強みは物流センター全体をシミュレーションできる点にあり、自動倉庫やコンベヤー、入出庫量を把握したうえで適切なロボットを組み込むことで、機械単体ではなくシステム全体を最適化できる点を挙げた。30年には売上高1兆円を掲げ、滋賀のマザー工場と小牧工場の生産能力増強、東京と京都の研究開発拠点で高度技術者を育成する計画も示した。
M&Aにも積極的で、ドイツのアイゼンマンを買収したことで自動車工場向けの塗装ブースという新規事業領域を獲得し、欧州市場への進出を加速させる狙いがある。将来的には「時間を買う」選択肢としても有力視している。
寺井氏は今後4事業をさらに強化し、市場と事業領域を拡大してAI・データサイエンス・ロボティクス・ソフトウエアを組み込み、顧客の物流・製造現場全体を最適化するソリューション企業を目指すと語った。10年後には世界で各事業のナンバーワンを目指す考えを示した。