電通グループの売上の57%が海外セグメントで、日本の利益中心という従来の見方が揺らぐ構図が浮かぶ。海外拡大の代償としてののれん減損の推移と、株価の戻りの背景を整理する。
電通グループの2025年12月期の有価証券報告書によると、日本の売上収益は6,083億円、全体に占める比率は42.4%だった。海外はAmericas、EMEA、APACを合わせて8,202億円となり、比率は57.2%に達する。数字上は売上の過半を海外で稼ぐ構造となっている。
海外比率の源流として、2013年に英国のAegis Group plcを買収して完全子会社化したこと、2016年には米Merkle Group Inc.を買収したことが挙げられる。現在は日本・Americas・EMEA・APACの4地域で開示され、海外が収益の中心となっている一方、稼ぐ力は日本が大きく上回っている。
2025年12月期の調整後営業利益は日本が1,211億円、Americasが723億円、EMEAが338億円、APACが27億円で、海外3地域の合計は1,088億円にとどまる。売上総利益に対するオペレーティング・マージンは、日本が24.4%、海外は低水準となり、成長動向も日本はプラス、海外はマイナスが並ぶ。
株価は2025年10月末の3,044円から11月末に3,545円へ上昇したが、年明け以降は下落し、2026年3月末には2,699円まで下落した。その後は回復基調をたどり、4月末には2,900円台、5月末には3,000円台、7月末には3,545円、8月末には3,704円と上昇。一方、将来の回復には海外の利益回復が重要とされる。
のれん減損は2023年12月期末8,311億円、2024年末6,970億円、2025年末3,201億円へと縮小する一方、2023年〜2025年の3年間で722億円、2,352億円、4,025億円の減損損失が計上された。2025年末期には海外事業で4,025億円ののれん減損が発生し、親会社の所有者帰属利益は3期連続赤字となったが、2026年上期は黒字転換を見込み、通期の業績見通しも設定されている。
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