日本生命が米国データセンター向けAIインフラ融資残高を、今年3月末の約1兆円から2035年度までに2兆円へ倍増させる計画を公表。融資は出資ではなくプロジェクトファイナンスを選ぶ。
日本生命はAIインフラ向け融資を拡大し、米国データセンター建設向けを中心に残高を約1兆円から2035年度までに2兆円へ倍増させる計画を明らかにした。融資は株式投資ではなく、プロジェクトファイナンスの形で実施され、長期賃貸契約の賃料収入を返済原資とする仕組みを採用する。
PFの典型的な構図は、開発事業者がSPCを設立し施設を保有、テナントとなる巨大IT企業が長期賃貸契約を結び、その賃料収入を元に金融機関が資金を貸すというものである。日本生命は米大手のデータセンター案件に対しこの手法を適用することで、平均で2%超のスプレッドを狙う。
米国を投資先とする理由にはデータセンター需要の大きさがある。米国は世界最大のデータセンター市場で、電力消費の大部分を占める見込みだ。一方、日本国内のデータセンターは大都市圏に集中し送電網の余力が乏しいため、海外案件が先行して資金供給の対象になるケースが多い。
日本生命は米国以外にも国内の大型案件の検討も進めており、秋田県のデータセンター案件を例に挙げ、国内のデータセンター建設融資も視野に入れている。米国PF市場では銀行が建設融資を提供し、一部を他金融機関へシンジケーションしてリスクを分散する構図が一般的で、長期の資金を求める生保との役割分担が見られる。
今後は2027年ごろをめどに米国で専門チームを新設する方針で、優良テナントを抱える案件を厳選する目利き力を高める計画がある。為替リスクや海外収益の国内還元など、実務上の課題にも留意が必要とされる。