IT業界のSES関連のM&Aが2026年1〜9月で15件に達し、前年を超えた。背景には人材不足や顧客基盤の拡大、生成AIの影響が指摘される。
IT・ソフトウエア業界におけるSES関連のM&A件数は2026年1〜9月で15件となり、2025年通年の10件をすでに上回った。過去10年間では最多の水準で、2017〜2023年は年間0〜3件程度だったが、2024年以降増加が顕著になっている。背景にはエンジニア不足があり、エンジニアの確保だけでなく顧客基盤や案件獲得を狙う買収が増えている。生成AIの普及も人員や技術、M&A価格に影響を与え始めているとの見方がある。
直近の事例として、バルテス・ホールディングスはSES事業を手がけるオプティムを子会社化し、エンタープライズ領域の開発人材基盤の強化を図る。ココナラはフレームキャリアを子会社化して正社員エンジニアとフリーランスの組み合わせ体制を強化、ハイブリッドテクノロジーズはグルーヴ・システムを傘下に持つMCP35を子会社化して安定的なエンジニア供給力を高める方針を示した。これらは人材確保を狙った動きである。
一方、顧客基盤の拡大を狙う事例として、Amaziaがリーデックスを、ソーバルが理創を子会社化した。リーデックスの顧客基盤を活用し技術力を補完して対応領域を広げ、理創の技術力を活用して技術領域の対応力を拡大する狙いがある。
人材不足に対する市場の背景には帝国データバンクの調査があり、情報サービスで正社員不足が61.9%に達している。DX動向2026でもDX推進人材の量と質の不足が高水準で、慢性的な人材不足の状況は続くとされている。生成AIの普及がこれらの構造を変える可能性も指摘され、AIを活用できる人材や技術を取り込む企業が買い手に回る動きが今後広がる可能性がある。