独ポルシェがITコンサル子会社MHPを売却すると同時に、印タタ・コンサルタンシー・サービシズと5年間のAI・IT戦略契約を締結した。EV不振を背景に非中核事業を切り離す動きが、製造業のIT活用の在り方を示す事例となる。
ポルシェAGは経営・ITコンサル子会社MHPをTCSへ売却する一方で、5年間で12.5億ユーロのAI・IT戦略契約を結んだ。譲渡額は企業価値ベースで約3.2億ユーロと報じられており、同時に現金やリソースの再配分を進める。これにより、非中核領域を手放しつつ世界規模のIT実装力を確保する方針が示された。
背景には、ポルシェの2025年12月期決算での大幅減益とEV戦略の再評価がある。特別損失約39億ユーロの計上や約3,900人規模の人員削減など、車両事業の収益性が悪化している状況下で、IT機能の所有と活用方法を見直す動きが同時に進んだ。
TCSは払拭される側としてのMHPの買収だけでなく、AI実装力を活用する拡大方針を同時に示しており、欧州での事業拡大とアウトソーシング戦略の強化を進めている。ポルシェ向けにはAIモビリティ・センター・オブ・エクセレンスを設置し、エンジニアリング・製造・オペレーション・顧客体験の領域でAIを活用する方針を公表した。
日本企業には、自社IT機能の「所有から利用へ」の転換と、グローバルに実績のあるパートナーを活用する調達戦略の見直しが示唆される。コア領域を強化しつつ非中核領域は適切に切り離し、段階的に調達構造を再設計することが重要だと考えられる。