日銀総裁に就任した黒田東彦氏が、就任を決断するまでの経緯と安倍首相からの電話について、本人の回想に沿って伝えられている。
2013年から10年間、日本銀行の総裁を務めた黒田東彦氏は、デフレ脱却とアベノミクスの推進を通じて株式相場の高揚や円安誘導に取り組んだ。当時、就任の打診を受けた際には「ためらい」があったと新著から一部抜粋して紹介されている。安倍首相肝いりの政策の中での総裁就任は、周囲の多くが候補と目していた中で本人には強い自覚がなかったと述べられている。官房長官経験者との面会歴や政治家との関係性の中で、正式な打診を待っていた時期もあった。
安倍氏との関係性については、日銀総裁就任の打診前後のやり取りや面識の薄さが描かれ、安倍氏本人との長い面談はなかったとされる。一方で、マニラのADB本部時代の後任候補として名前が取りざたされたことや、就任の連絡を官邸から直接受けていなかったことが、当時の周辺状況とともに記録されている。また、官邸からの打診がなかったことを自己の判断で認識していた経緯も言及されている。