オイシックスのCFO中川徹哉氏は、社会課題を起点にしたM&Aを日常の成長手段と位置づけ、シダックスのグループ化を例にPMIの実践を語った。
食の社会課題を解決するためのM&Aは、近年の業界再編とともに日常的手段として位置づけられている。中川氏は、証券会社時代からの経験を踏まえ、海外買収を含むM&Aが事業成長の前提になる時代になったと指摘した。
同社のM&Aは「既存領域の拡大」と「新規領域への進出」の二軸であり、前者はB2Cの食品宅配の拡大、後者は移動販売や給食事業など新分野への進出を意味する。社会課題を解決する軸をぶらさず、グループに参加する企業を選別する姿勢を強調した。
PMIでは人と文化の統合が最も難しく、Kizukiの箱といった仕組みで現場の声を集約・迅速に改善を進めた。グループ内の人材の抜擢や現場と経営層の密な対話を重ね、現場の声を単なる情報にとどめず施策へ落とす重要性を語った。
今後はB2CとB2Bの二本柱を軸に成長を図りつつ、海外展開を含む三本目の柱を検討。特に和食の海外展開では市場規模や資金力、スピード感の差が壁になると認識し、実務的な準備を進めていく方針を示した。
海外展開を含む長期的な成長戦略の中で、M&A自体を目的とせず、目的を実現するインフラとしてM&Aを捉える考えを強調した。