地上を離れ衛星や宇宙空間でデータ処理を行う「宇宙データセンター」構想が現実味を帯び、グーグルが試験衛星を打ち上げ、スペースXが壮大な計画を動かしている。日本企業の参入も始まっている。
地球上のデータセンター電力と用地の制約を背景に、宇宙にデータ処理基盤を置く宇宙データセンターの試みが現実味を帯びつつある。グーグルは2026年10月1日に宇宙にAI計算基盤を構築する研究「Project Suncatcher」の試験衛星を打ち上げ、打ち上げ後の通信確立と動作確認を行った。今後、AI専用半導体「TPU」が宇宙環境で耐えられるかを検証し、複数衛星による計算基盤の実現へつなげる予定とされている。
現状には定義や標準構成が統一されていないが、宇宙データセンターは人工衛星や宇宙ステーションに計算装置を置き、宇宙空間でデータ処理を行う仕組みを指す。小規模な衛星単位の分析から多数衛星を結ぶ大規模構想まで想定される。
地上データセンターの電力消費が将来的に大幅に増える見通しが指摘されており、IEAの報告書では2025年の485テラワット時から2030年には950テラワット時へほぼ倍増する見通しとされる。AI向けでは同期間に約3倍になるとされる。
宇宙データセンターの利点として太陽光の長時間利用と地上送電網への負担軽減が挙げられる一方、ロケット輸送費用や放熱、通信、保守といった課題も大きい。
本稿はSB Creative系記事の解説を含み、実用化には5つの壁があるとの指摘も紹介されている。