仏メディアが中国でAIの大規模活用が労働市場を混乱させていると伝え、武漢の自動運転タクシー関連のトラブルで収入が落ちた運転手の事例を紹介した。非固定就業者の割合増加や政府対応を巡る議論も併せて報じている。
仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、人工知能の大規模活用がもともと脆弱だった中国の労働市場をさらに混乱させていると指摘した。武漢市で今年3月に起きた自動運転タクシー「蘿蔔快跑(アポロゴー)」のトラブルに言及し、複数台の車両が道路上で立ち往生して乗客が数時間車内に閉じ込められたと説明した。
アポロゴーの運行開始以降、あるタクシー運転手の男性の収入が導入前より40%減少したと伝えられている。男性は自動運転タクシーの影響が大きすぎると語り、AI活用の拡大に伴う受け入れか反発かという議論が中国で広がっていると報じた。
中国では現在、非固定的な仕事に就く人口が3億2000万人に達し、労働人口に占める割合は44%とされる。自動運転タクシーの普及が運転手の収入を脅かしているとの指摘も紹介され、24年に武漢の運転手らが抗議したとされるが、情報の審査が入り規模の確定が難しいとも伝えられた。
一方、中国メディアの社説がAI時代の労働者の権利を新たな課題として警鐘を鳴らし、政府は懸念の一部を受け入れつつあるとの評価があると伝えられた。技術面ではディープシークなど中国製AIモデルの成功を受け、雇用創出の側面が強調される一方、賠償判決の報告や映画業界の就労状況なども取り上げられた。