米財政悪化にもかかわらずドル安・円高は限定的に留まり、日銀の利上げ観測とジャクソンホールでの動向がドル円の行方を左右する可能性がある。長期金利動向と実質金利の関係も注目点だ。
今週のドル円は協調介入後に一時155円23銭まで下落した後、8月にかけてジリ高に推移した。一方、160円台の手前で頭打ちとなり、19日に米財務省の国債買い戻し拡大の発表後は長期金利が低下しドル円は158円03銭へ下落、しかしその後は再び持ち直して159円付近まで戻った。
米長期金利の動きがドル相場に影響を与え、7月以降は長期金利とドル指数の関係が再び逆転。タームプレミアムの上昇はドル安要因となりつつも、有事のドル買いや原油高の影響でドルは一定程度支えられているとの見方が示されている。
日本サイドでは長期金利が3%目前まで上昇する一方、日銀の9月利上げ織り込みは80%程度とされ、実質金利はマイナス圏のまま。日銀の利上げが進んでも円高材料になりにくい背景には、実質金利の低さがあるとされる。
来週は日銀副総裁の発言とジャクソンホールでの議論が焦点となる見通し。158円-160円のレンジでの値動きが続く中、クロス円は底堅い展開が見込まれる一方、米中東動向次第で円買いが進むリスクにも注意が必要だ。