高市政権の骨太の方針は財政の持続可能性と経済成長の両立を重視する内容で、政府と日銀の連携強化を盛り込んだ。市場は長期金利上昇と円安の動きをみせたが、論点は政策転換の解釈にある。
骨太の方針の中で、財政健全化という表現が削除され「財政の持続可能性」という言葉に置き換えられたことが指摘されており、従来の財政規律軽視との受け止めが広がった。しかし本文では、財政健全化の置換は単なる表現の差異以上の意味を持つ転換として捉えられている。
方針は政府債務残高対GDP比の安定的低下を中核に据えつつ、経済成長率を含む多角的指標で財政を管理する方針を示す。単年度PBの黒字化を優先する従来の財政運営を見直し、成長と財政の持続可能性を一体で考えるという趣旨である。
財政収支の改善を急ぐと景気を抑制し税収の伸びを鈍らせる可能性があるとの懸念にも触れ、経済成長を通じた財政の健全性確保を重視する考え方が示されている。新型コロナ後の積極財政で名目GDPと税収が一時的に拡大した経験を挙げ、成長優先の政策運営の重要性を主張している。
日銀に関しては、日銀法第4条に沿って政府と緊密に連携しつつ賃金と物価の好循環を実現するよう期待する趣旨が明記された。これにより政府と日銀の協調が強調される一方、具体的な金融政策判断の介入を示すものではないとの解釈もある。
デュアル・マンデートの考え方を高市政権が掲げてきたことが再確認され、強い経済成長と安定的な物価上昇の両立を目指す方針が強調された。財政と金融の役割分担を明確にしつつ、政策全体の整合性を高める意図が読み取れる。