2度「買われた」経営者が今は「買う側」へ。Boost Capitalの小澤隆生氏が、買収を経営の成長戦略として活用する思考法を語ったセミナーの報告。
セミナーは成長戦略セミナー2026 in 東京の一環として開催され、登壇者はBoost Capital株式会社代表取締役の小澤隆生氏であった。小澤氏は自身が創業した会社を楽天とヤフーに売却した経験を踏まえ、買われる側と買う側の双方を経験してきたことを述べ、M&Aを経営に活かす考え方を紹介した。
国内のM&A市場動向として、昨年のM&A件数は約5,100件で、2015年の約2,500件と比べおよそ10年で倍増した。公表ベースの件数であり、非公表案件を含めると実態はさらに大きいとの見方が示された。事業承継型が最も多く、黒字だが後継者がいない企業が約60万社の中で存在すると説明された。
一休、ZOZO、クラシルといった大型買収の裏側には「計算式」と呼ばれるシンプルな検討ステップがあると説明された。各案件での買収金額と想定される相乗効果を数式で説明し、合理的なストーリーが立てられれば買収が成立する可能性があるとされた。一方、クラシルは特殊事例で再現性が乏しいとの指摘もあった。
買い手として成功する条件として、目的を先に設定し5年後・10年後の姿から逆算して買収先を探す発想が強調された。赤字企業への投資は難易度が高く、黒字企業であれば相乗効果が見えない場合には売却を検討する選択肢も残る。長期的なビジョンを持つことが重要であるとされた。