高市政権の責任ある積極財政のもと、名目成長3%を想定した試算でも財政赤字が拡大する見通しが公表された。赤字の拡大は税収増だけでは埋まらず、利払い増が財政を重くするとの整理だ。
政府が所信表明演説で掲げた責任ある積極財政の方針の下、企業投資を促し成長と税収増を狙うとの説明が示された。財政赤字の拡大は、成長と税収の関係性を巡る議論の中で指摘されている課題の一つだ。
財務省が2026年2月に公表した試算では、物価変動を含む名目成長率が2027年度以降3%で推移する前提でも、一般会計の財政収支は2026年度11.7兆円から2029年度17.0兆円へ拡大する。税収は83.7兆円から95.5兆円へ増えるが、借金の利払い費は13.0兆円から21.6兆円へ増加する計算となる。
低い成長の中でも赤字が拡大する背景には、追加支出と利息の増加が影響している。利払いの増加分が税収の伸びを上回るケースもあり、成長だけでは財政健全化が進まない現実が浮かぶ。
企業の黒字(貯蓄超過)に関する先行研究への言及では、日本経済の最大の課題は企業の貯蓄超過だという議論が紹介され、国際比較の一例として米英やドイツの事例が挙げられている。これにより、日本特有の問題と一部の研究が指摘する見方の差異が示唆された。